創業明治二十一年の歴史ある倉敷の帆布専門工場、この工場に伝わる伝統のシャトル織機でしかつくれない超極厚生地の1号帆布。
昔ながらのシャトル織機を使いゆっくりと織りあげられる帆布はジャム織物(限界織物)と言われ、限界まで高密度で織り込まれた織物で、1日に50・0メートルほどしか織る事の出来ない貴重な1号帆布、とても丈夫でへこたれにくくそれに加え、通気性に優れ使い込むほどに味が出てきます。
日本で唯一、製織できるセルヴィッジのシャトル織機からつくられる1号帆布は良質なコットンを100%使用し、10番手原糸を経糸7本、緯糸8本を1本の糸に撚ったもので熟練した職人の感触で整えられた紡ぐ糸、高い糸撚り技術による糸1本1本の品質の高さから最高品質の帆布ができています。
厚み1.45mmと密度が詰まった30.8ozもあるしっかりとした綿帆布で重量や厚みがあり本来は乗馬の鞍などに使用され、世界にも誇れる日本で一番しっかりとした綿一級帆布です。
1 10番手の糸を使用
2 平織である
3 撚りが加えられている(緯、経のどちらか)
4 シャトル織機で織られている
5 リング糸を使用
帆布は、名の示すとおり「帆船の帆」として使われたのが起源といわれています。
帆布とは無染の綿や麻の糸を撚り、平織りにした布の事。
帆布は、英語ではCANVAS(キャンバス)と呼ばれています。
目が詰まっていて丈夫、水漏れしないのに通気性に優れている事で古くから船の帆や馬具、学生カバンなどにも使われてきました。
帆布は、撚り合わせの回数や、織り方の密度によって、1号から11号の厚さに分けられ、号数が小さくなるほどに撚り合わせる糸の本数が多くなり、1号が最も高密度でしっかりした帆布になります。
一般的に鞄などで使用される8号帆布は1平米あたり約484gに対し1号帆布は1平米あたり約1014gと1号帆布の密度や強度の違いが良く分かります。
その堅牢さは綿生地のなかで最も丈夫な素材といわれています。
1号帆布は、原糸を経糸(たていと)7本、緯糸(よこいと)8本合わせて撚り、一本の糸に加工したものを平織りにしていきます。
帆布の厚さは合わせる糸の本数と撚り合わせる密度によって決まります。
合糸(糸を合わせる)、撚糸(合わせた糸を撚る)を行います。
合糸した糸に「撚り」をかけることで糸の強度が増し、毛羽だちにくくなります。
高度な技術から撚り合せられる糸、一本一本のしなやかさと強さが大きな特徴です。
経糸を織機用に整える作業です。
1200本から2000本のたて糸を織機に載せる巨大ロールに巻き直します。
経糸を整える際に求められる微妙な糸の張り具合など、さまざまな工程で欠かせないのが職人の経験と感覚です。
現代においても、その技術を機械に変えることはできません。
巨大ロールの経糸を織機へ一本一本手作業で通します。
シャトル織機とは、手機織りの作業をそのまま機械化した原始的な織機。
ビンテージデニムもこの機械で織られています。
この機械は現在では生産されておらず、現存するものは世界でも限られています。
よこ糸がセットされた「杼(ひ)=シャトル」が往復しながら帆布を織り上げていきます。
セルヴィッジと呼ばれる美しく整った織物の両端は、技術力と品質の証であり、1号帆布が一級品と称される所以です。
織り上がった帆布を50mごとにカットし、明かりで透かしながらキズや汚れがないかを人の目で細部にわたりチェックしていきます。
流し検反でチェックしたキズの箇所を熟練の職人が再確認し、ヨコ糸の連れ込みなどを抜いたり、穴を補足して縫ったりする。
すべての製品で厳しい検査を行い、クリアしたものだけが一級品帆布として認められるのです。
厳格な旧JIS規格をいまなお守り、最高の技術力で織りなす最高品質。
綿花という自然の恵みと人の想いが育てた、ぬくもり溢れる一級帆布。
たくましく、やさしく、心に語りかけてくるような風合いは、丁寧に、大切に、手間を惜しまず、妥協せずに“本物”を追い求めた証しです。
1号帆布は街中では中々お目にかける機会がないであろう貴重な帆布です。
高密度で厚みがあるので想像以上に最初は硬くてごわついており重みがあります。
しかし使い続けるうちに柔らかくなり風合いが増して経年変化を楽しめるしっかりとした帆布です。
お客様に合わせた経年変化を長く楽しんでいただくために、簡単なお手入れ方法をご紹介いたします。
購入したばかりの1帆布をなるべく綺麗に使いたいという方は、ご使用になる前に布用の防水スプレーを全体にかけてください。
雨や濡れによる型崩れやシミを防ぎ、汚れの防止にもなります。
普段は毛先の柔らかいブラシや乾いた布などで表面を簡単に拭うだけで埃や少しの汚れは落ちます。
汚れの跡がついてしまった場合は白い消しゴムで軽くこすることでだいたいの汚れは落ちますが、強くこすると色落ちの原因になります。
中性洗剤を水で薄め布に含ませて汚れた部分を叩くように拭き取ります。
汚れがとれたら固めに絞った布で水拭きした後、風通しの良い場所で陰干ししてください。
どうしても汚れが落ちない場合は、洗面器にぬるま湯と中性洗剤を入れて優しく押し洗いをする。
または汚れた箇所を水で濡らし固形石鹸を塗り、歯ブラシなどで軽くこすり乾いたタオルで水気を拭ってください。